【人生の楽園】祭りの町で蘇る伝統の提灯 野中提灯 岐阜県飛騨市古川町

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2024年5月11日放送の「人生の楽園」は、岐阜県飛騨市の古川町で提灯職人となった野中早織さんと、リンゴ農園を引き継いだ夫の誠さんの物語をお届けします。

飛騨市古川町は、町屋と白壁土蔵が立ち並ぶ美しい町です。毎年4月に開催される「古川祭」は、飛騨の匠の技が生み出す豪華な屋台が並び、その壮観さは一見の価値があります。この祭りの魅力を一層引き立てるのが、名家の軒先に掛けられた提灯です。しかし、最後の提灯店が閉店し、町には提灯を作れる人がいなくなってしまいました。

そこで登場するのが、野中早織さん(52歳)。早織さんは伝統の「飛騨古川提灯」の製法を受け継ぎ、提灯職人として町の提灯を復活させました。早織さんの夫、誠さん(59歳)もまた、先輩からリンゴ農園を引き継ぎ、農業に励みながら妻を支えています。

早織さんは飛騨市神岡町出身で、大学で建築を学び、金沢の建築会社に就職しました。その後、岐阜県に戻り、建築現場監督として働くことになります。そこで出会ったのが、代々左官業を営む誠さんでした。2人はその後結婚し、共働きをしながら家族を支えてきました。

50歳を過ぎた早織さんは、現場監督の仕事を辞め、何か新しいことを始めたいと考えていました。そんな時、知人から「古川の最後の提灯屋さんが廃業した」という話を聞き、興味を持ちます。「伝統の技が人知れず消えてしまうのはもったいない。作り方だけでも知っておきたい」と思い、提灯職人だった女性の元を訪ね、提灯作りを学びました。そして2020年、自宅の一角で「野中提灯」を開業し、一度は消えた古川の提灯店が復活しました。

一方、左官業を営む誠さんも、7年前に地元の先輩からリンゴ農園を引き継ぎ、農業中心の生活になりました。

お二人が一番楽しみにしているのが、年に一度の「古川祭」です。300年以上の伝統があり、町には豪華な屋台が並び、裸男たちが太鼓を打ち鳴らし揉み合う「起し太鼓」が有名です。当日は朝から早織さんが作った「飛騨古川提灯」が町のあちこちに飾られ、祭りを盛り上げます。夜になると、各家に掛けられた柔らかな提灯の光が街を照らします。そしてお二人も法被を着て屋台を引き、春の訪れを祝います。

伝統ある「飛騨古川提灯」の職人となった早織さんと、地域のリンゴ園を引き継いだ誠さん。お二人はお互いの新たな仕事を支え合いながら暮らしています。そんなご夫婦の日常や、早織さんと共に伝統の提灯作りを支える紙漉き職人や木地師との交流、そしてコロナ禍以降初めてすべての祭事が復活した2024年の「古川祭」の様子を紹介します。伝統と新たな挑戦が交錯する飛騨市古川町の魅力を、ぜひ一度体験してみてください。

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野中提灯の販売

岐阜県飛騨市古川町で唯一の提灯職人である野中早織さんの工房では、直売所「けさまるりんご園」で野中提灯を販売しているそうです。けさまるりんご園の住所は、飛騨市古川町向町2-3-10、電話番号は0577-73-6623です。

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