2026年1月24日放送の「人生の楽園」では、秋田県五城目町(ごじょうめまち)で、母が作る伝統の漬物「がっこ」を主役にした食堂を営む佐藤香織さん(52歳)が主人公です。
食品衛生法の改正というピンチを乗り越え、母・ミネ子さんが守ってきた味と、地域の社交場である「がっこちゃっこ(漬物とお茶でおしゃべり)」の文化を守るために立ち上がった香織さん。今回は、そんな母娘の絆と、50種類もの漬物が並ぶ驚きの食堂の魅力に迫ります。
法律の壁を乗り越えて。母の「がっこ」を守るための決断
秋田県五城目町には、500年以上の歴史を誇る「朝市」があります。そこで長年、自慢の漬物を販売し人気を集めていたのが、香織さんの母・ミネ子さんでした。
しかし、2021年の食品衛生法改正により、漬物の販売には基準を満たした「専用の加工所」が必要に。このままでは母の味が消えてしまう。その危機感から、香織さんは長年務めていた福祉施設を辞め、自ら店舗を構える決意をしました。
古い民家を買い取り、厨房の奥に母のための加工所を併設。2024年にオープンした「GaccoChacco(がっこちゃっこ)処、道」は、母娘の想いが詰まった再出発の場所なのです。
主役はお肉でも魚でもない?およそ50種類の「お漬物」が彩る定食

お店の看板メニューである「今日の定食」には、訪れた人を驚かせる工夫があります。
漬物がメインディッシュ
通常、定食の脇役である漬物が、ここでは堂々の主役。ミネ子さんが漬けるバリエーション豊かな「がっこ」が並びます。
「がっこちゃっこ」を体現
3人で訪れれば、それぞれ異なる3種類の漬物が配膳されることも。
グループでシェアしながら「こっちは何味?」「美味しいね」と会話が弾む、まさに秋田の伝統的なお茶っこ文化を体験できるスタイルです。
母から娘へ継承される技
季節の野菜を丁寧に漬け込んだ50種類にも及ぶレパートリーは、地域の宝。香織さんはその味を守るだけでなく、食堂という形で新しい価値を吹き込みました。
【店舗情報】GaccoChacco(がっこちゃっこ)処、道
五城目町の朝市通り近くに位置し、地元の方や観光客がふらりと立ち寄れる温かな空間です。
- 店名:GaccoChacco(がっこちゃっこ)処、道
- 住所:〒018-1705 秋田県南秋田郡五城目町上町277−91
- 営業時間:10:00~15:00
- 定休日:毎週木曜日(※その他、不定休あり)
- 設備:カウンター6席、テーブル席あり。駐車場4~5台完備。
- 特徴:母・ミネ子さんの漬物加工所を併設。漬物の店頭販売も行っています。
笑顔と「がっこ」が繋ぐ、新しい地域のカタチ
母・ミネ子さんが受け継いできた漬物の味を絶やしたくない。そんな香織さんの強い願いから始まった「GaccoChacco処、道」。一時は法律の改正によって途絶えかけた「がっこ」の伝統は、食堂という新しい形で見事に息を吹き返し、今も大切に育まれています。
美味しい漬物を囲み、自然と会話が生まれる。香織さんが子供の頃に見ていた、あの温かな「がっこちゃっこ」の風景は、今も五城目の町で多くの人を笑顔にしています。伝統を守ることは、単に形を残すことではなく、その場所にある「笑顔」を次の世代へと繋いでいくことなのだと教えられる、心温まる物語でした。